>教科書の採択について

【PDF】令和6年度使用する教科書の「採択理由」」

教科
採択教科書
採  択  理  由
国語

光村図書
 他社と比べ、「学習の手引き」のページが充実しており、学習目標、学習活動(設問)、大切なポイントなどが具体的に示されている。そのため、その単元でどんな力を身に付けるべきで、どんな学習過程にすればそれが身に付くかが分かりやすい。例えば、物語文を読むことの学習では、教材文を読んで問いを立て、それを個人で考えたり学級で話し合ったりしながら解決し、自分の考えをまとめていく学習過程が示されている。教師主導でなく、子どもの問いを起点にした主体的な学びが実現しやすいだろう。他にも、ノートのまとめ方や言語活動における完成形の例が示されており、児童も教師も学習のイメージをもちやすいと考えられる。
書写

光村図書
 (書写は国語と関連した内容になっているため、国語と同じ会社を採択することが前提である。)ページ構成として、見開きで練習する文字と学習のポイント、学習の流れが掲載されているかたちとなっており、分かりやすい。各内容ごとに学習のポイントが示されており、文字を練習することを通してどんな力を身につけるべきか子どもも教師も理解しやすい。文字の手本だけでなくバッドモデルも示されているため、子どもたちがただ練習するだけでなく、どのように書くとよいか思考しながら練習することが期待できる。図の配置や配色もすっきりしていて視覚的にも見やすい。ワークシートが付属しており、教材としてそのまま活用することができる。
社会

東京書籍
 社会的な見方・考え方を働かせるための資料が豊富に掲載されている。教科書が、「つかむ」「調べる」「まとめる」「いかす」という流れで構成されており、子どもたちの思考の流れに沿った形式になっている。そのため、子どもたちは、見通しをもって学習をすることができる。また、学習を「まとめる」「生かす」場面では、多くの方法が提示されている。学習のまとめで、子どもたちが自分の考えを表現する際には、自己でどのように伝えたらわかりやすいのかについて方法を選択しながら学習を進めることができるだろう。さらに、単元の終末には「ひろげる」場面が設定され,子どもたちの興味関心を高める工夫がなされている。
地図

帝国書院
 複数の資料と関連付けた主題図を活用して、社会的事象について多面的に調べ、考えることができるようになっている。中学年向けの「地図帳の使い方」は、非常にわかりやすく地図の基本的な見方や主な地図記号、都道府県の名称と位置を学べるようになっている。身近な地域からの地図の見方が書かれているため、その後の学習にも系統性をもって学習に取り組むことができる。また、高学年向けには、産業や文化に関する主題図によって、社会的事象を多面的に捉えられるようになっている。さらに、AB版で多くの資料等が掲載されているので、子どもたちにとって見やすい構成となっている。
算数

東京書籍
 「新しい算数」では、課題解決の過程において、既習の内容を活用して考えることや新たな課題を見いだすことを促す表記を設け、より深く学ぶための工夫が見られる。例えば、4年「計算のきまり」では、教師が児童の実態に応じて選べるような題材になっていたり、児童が自由に選択して課題に取り組めるようになっていたりと、児童の学びたい意欲や見方・考え方を育てる工夫が見られた。また、教科書全体として、シンプルな構成となっており、見やすい教科書になっている。
理科

大日本図書
 小学校理科では、「自然に親しみ,理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどを通して、自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。」ことを目標としている。問題を科学的に解決する過程として、問題発見、予想、実験方法、結果、考察を行い、次の問題発見につなげていく事が大切である。これらの過程が流れとしてわかりやすく掲載されている教科書であるといえる。さらに、問題発見や実験方法、結果の場面で多くの写真が使われており、どのような実験をしているのかを視覚的に捉えやすくなっている。また、単元構成においても、子どもたちの「見方・考え方」を働かせて実験をしやすいように、単元が組まれている。
教科
採択教科書
採  択  理  由
生活

大日本図書
 低学年で扱う生活科単元ということもあり、何をどのように学習していくのかという見通しやステップが見て分かりやすいものを選択した。その観点で見た際、単元の最初の見開きページで「見通しをもつ」ことができ、興味関心をもって活動に取り組むことができるようになっている。「観察日記」の例なども、1・2年生の実態に合わせた例となっていて参考にもできる。また各単元で掲載されているイラストや写真も、知らない体験・知っている体験を踏まえて「やってみたい」と思える提示の仕方をしている。提示しづらい例や遊び方などもそういった写真やイラストで丁寧に示しており、そこから「自分ならこうしたい」と考えていくことができるように、設定されている。
音楽

教育芸術社
 全学年において、音楽を形づくっている要素を軸に題材が構成されている。また、他学年間、同学年内の題材間での学習の系統性が明確に構成されている。さらに、楽曲や活動ごとの紙面には、音楽を形づくっている要素が小見出しで示されており、活動を通して何を学ぶのかを焦点化しやすくなっている。加えて、学びの過程が、「見付ける」「考える」「歌う(演奏する・つくる・聴く)」と段階的に記載されており、児童が活動をする際の手がかりにすることができる。そのため、児童にとって、題材全体や楽曲を通して何を学ぶのかが捉えやすく、思いや意図をもって表現したり、味わって聴いたりしやすくなると考えられる。
図画工作

日本文教
 日本文教は参考作品が多数掲載されており、製作過程や材料の掲載は最小限になっている。表現方法や材料は児童が自由に発想を広げて選択しながら取り組めるため、主体的に学習に取り組む態度や思考・判断・表現の能力を育むことができるようになっている。鑑賞の題材は表現活動の題材と関連しているため、鑑賞が表現の発想を広げることを実感しやすく、作品を完成させて鑑賞する意識へも自然に向きやすい。表現することと鑑賞することの重要性に気がつけるようになっていることから、鑑賞する力の育成にも効果的な題材の配置になっている。表現の各活動がバランスよく配列され、高学年では中学校美術や社会との関連や繋がりを図った題材が多く設定されている。
家庭

開隆堂
 内容の選択については、知識及び技能が身につけられるようにスモールステップで学習が積み上げられる構成にしながら、児童がさらなる課題に取り組める事例が示されており、家族や家庭生活での実践に結びつくように配慮されている。内容の配列についても、衣食住の題材は易から難へと、さらに季節感を考慮して配列され、最終題材には他者との共生、持続可能な社会の構築につながる題材が配列されている。家庭生活を大切にする心情を育み,家庭や地域の人々との関りを考え,家族の一員として,生活をよりよくしようと工夫する実践的な態度を養っていくうえで非常に活用しやすいと考えた。
保健体育

大修館
 運動と健康との関連が「体育の窓」として紹介されていて、運動領域の学習内容を保健領域で生かせるようにしている。また、「世の中で活躍している人達のインタビューからの単元の導入+キャラクター」による思考のきっかけのヒントによって、主体的な学びをスタートさせることができるようになっている。さらに、単元末に学習の振り返りのページが設けられていることで、知識・技能の定着につながるとともに、自分の生活を振り返りこれからの生活へとどうつながっていくのか考える場となっている。教科書全体としても、クイズやQRコードによる動画など資料が多く、配置が適切であるため、子どもたち教師の両者にとって使いやすい教科書になっていると考える。
外国語

東京書籍
 学習の流れが統一されており、聞くことから話すことへと徐々にシフトしていき、子どもたちがスモールステップで学習ができるようになっている。そして、書く学習の充実が図られており、話したことを最後に書くことができるようになっている。また、例やヒントなども掲載されており、教科書を活用して、外国語に苦手意識をもっている児童への対応ができるだろう。さらに、各単元に振り返りが設けられており、児童自身が自分のパフォーマンスを内省できるようになっている。異文化への理解の内容が多岐にわたっており、児童が様々な文化にふれるだけでなく、自身の異文化への考え方を深めることができるようになっている。
道徳

学研
 低学年で扱う国際理解の教材が「食材」や「遊び」にとどまらず、日常生活のコミュニケーションについて漫画を通して取り扱っていて、子どもたちの生活経験と結び付けやすいものになっていた。また、同じ登場人物を学年が変わっても取り扱うことで、「自分たちと同年代」という意識をもたせることができている。また、6年生の3月の題材を見た時に、卒業に向けて「自己実現を達成するために大切なこと」として系統性を考え教材を並べている。情報モラルについても、SNS等を加味した子どもたちの「今」の実態に合っているもので構成されている。全体を通して成功談だけではなく、失敗談も入っている。両者をバランス良く読み、考えることで、「このときどうすれば」を考え議論する道徳ができるものとなっている。